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今年の春まで市役所の臨時職員として、主に空き家対策の業務に携わりました。
それまで「空き家のまちづくり」と言えば、「空き家活用」ということしか頭にありませんでした。
全国的に、空き家を活用した飲食店や宿泊施設などが有名になり、高岡市内でも実際に活用した例がいくつか注目されています。
しかし、それは言ってみれば「陽の当たる部分」だなと、実際に空き家業務に携わってみて感じました。
実際の「空き家問題」は、高岡市内でも何千軒と存在する空き家について考えなければならない。
実感としては、「近隣の空き家に関する苦情」が圧倒的に多かったなと思います。
1980年代(新耐震基準後)に造成された住宅団地に生まれ育った私。
近隣に空き家はあっても、それで困った経験はなかったので、正直このような現状があることを全く知らなかったのです。
また、「手放したいのに売れなくて困っている」といった空き家所有者の声も、よく耳にしました。
そういった話が大半なので、実際に活用される例なんてほんの一握り。
しかもテレビなどで取り上げられるような華やかなパターンは、本当に「陽の当たる部分」でしかないのです。
何千軒と存在する空き家の実態把握と、問題のある空き家への対応、空き家バンクなどの活用に向けた取り組み・・・。
少数のスタッフの中で途方もない作業となることもあるほど、「空き家」というのは大きな課題でした。
さて、そもそも何故「空き家」が増えているのか。
これも空き家業務に携わるまで、あまり考えたことがありませんでした。
また、実際に携わってからしばらくは、日々のことで一杯一杯になり、考える余裕もありませんでした。
でも、考えてみたら、簡単な話なんですよ。
簡単な話なのに、それまで全く気づかなかったわけです・・・。
空き家が増えている理由。
それは、「人が減っているのに、家が増えているから」。
このことは、国が5年に1度行っている「住宅・土地統計調査」などでもはっきりしています。
平成30年住宅・土地統計調査(総務省統計局ホームページ)
また、高岡市の統計でも、人口は減っているのに、世帯数は未だに増え続けています。
もちろん、世帯数にはアパートなども含まれていますが、持ち家も含めた核家族化が進んでいると言える数字でしょう。
人が減っているのに、家はむしろ増え続けている・・・。
そりゃ、空き家が増えて当然ですね・・・。
日本は「新築志向」が強いと言われています。
以前、とある講演で「欧米は住宅流通のうち中古住宅の割合も高いが、日本は未だに新築が8~9割を占める」という話を聞きました。
(数字についてはうろ覚えです・・・)
高岡でも郊外での新築住宅が好まれている印象を持ちますね。
なおかつ、昨今言われている「核家族化」の影響。
でも、もうこれは仕方ないとは思います・・・。
三世代世帯の時代ではないですし、結婚して相手の両親と同居・・・嫌に感じる人は多いでしょう。
そして、特に富山県で言えることですが、「持ち家率」の高さ。
「家を持って一人前」という文化が、今も残っているのかもしれません。
これらを踏まえ・・・。
結婚して所帯を持ったら、実家を離れて新築。
実家の両親はやがて年老いていき、家を引き継ぐ人もいないので、空き家に。
また、子どももやがて独立するため、新築した家も同じ運命をたどるわけです。
結婚しても親と住め、と言うわけではありませんが、
親が住んでいる実家や、これから住む家が将来どうなるか、しっかり考えてから新築するべきかなと思います。
こうした空き家を増やさないために、個人レベルでできることを考えてみると・・・。
①新築せず実家で親と同居する(まあ、一応入れておきます・・・)
②新築ではなく中古住宅を購入する
③持ち家にこだわらず、アパートや借家で人生を過ごし、老後に実家暮らしする
④実家や新築住宅の将来の活用や処分方法をしっかり考えてから、新築する
こんなところですかね・・・。
いずれにせよ、相続で引き継いだ空き家を放置するような無責任なことだけは、絶対にしないようにしたいです。
私も、将来所帯を持つことがあれば、少なくとも新築だけはしないかな。
せめて中古住宅を考えたいと思います。
もっとも、結婚の予定は、ありません・・・。
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